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動く社会に対して動きたくない人間に斬り込む!-「未来の働き方を考えよう」

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

  最近人気沸騰中のブロガー、ちきりんさんの4冊目の本「未来の働き方を考えよう」を読みました。僕自身はブログは度々拝見させて頂いてましたが、出版本を読むのは初めて。


  本書の話の中心は、タイトルにもあるように職業選択について。前半は現在の社会についての考察から入ります。出版業界では「働き方に間する本」が売れ始めている事、日本の将来人口推計から「定年が延びる」と予想される事、それに伴って「家族の形」が変化するだろうこと。


  このような中で私たちの生きる社会では3つの大きな力の変化があることを示します。

3つのパワーシフト

  • 大企業から個人へのシフト
  • 先進国から新興国へのシフト
  • ストックからフローへのシフト
大企業の優位性は弱まりつつあり、個人でも大企業に対抗できるビジネスが容易になっていること。新興国の強盛により教育の場、市場が拡大しもはや先進国に居続けるメリットが薄まっていること。定年、寿命の延長により、働いていた時の貯金、人間関係のストックよりも恒常的にこれから手にいれてゆくスキル、環境を作っていかねばならないこと…。


  このような変化の中、筆者は新しい働き方を提唱しています。それが「ふたつの人生を生きる」こと。40代後半で新しい職業人生を歩む、職業を人生のうちで2回選ぶという考え方。はじめの20年で培ったスキルを活かして、高齢になっても価値を作れる長期的な働き方を見つけること。

おわりに
  本書の中で頻繁に出てくる言葉に「変化・市場・ニーズ・そして楽しむ」というものがあります。ちきりんさんは世の中の変化を恐れず受け入れて市場のニーズにアンテナを張ること。そしてなにより楽しんで人生を生きようと解いています。誰もわからない未来の変化に対して筆者の想像に任せて書かれてるところも多い本でしたが、重要なのは変化が起きる前に、その兆候を摑み考え実際に変化が起こった時にどうようせずに生きてゆく。そんな生きる力を考える一助になる本でした。